loser's howling for tomorrow

ネタバレ注意。小説、漫画、アニメ、ゲーム、音楽、お笑いのことなんかを書き殴っています

ひまわりの空、UFOの夏

最近は小説と言えばラノベしか読んでません。特に同人ラノベに可能性を感じていたりする今日この頃。最近読んだのをご紹介。

あらすじ
美少女ゲームの企画家である“私”。気分転換にふと古ぼけたビルに立ち寄ると、そこは今流行の精神科。お店の名は”三階クリニック”。そこでは過去を悔いる人間たちが集っていた。カウンセラーになりたい俊介、借金返済を夢見る駿夫、犬も食わない喧嘩を三年間も続ける千秋と靖のカップル、母親にパートで働かせて自分は働かない篤。そして誰もが憧れる魔界のカリスマ、空子。みんな煤けて見える。企画に煮詰まっていた“私”は、彼らをモデルにとある小説を考える(美少女ゲームは?)。注)あらすじと本編は一切関係がありません。
ということですが。「ショコラ」シリーズ(名作)、「この青空に約束を」(神作)、「世界で一番NGな恋」(絵以外完璧)などのシナリオライターとしてお馴染みの丸戸史明氏と、近作では「ティンクルくるせいだーす」の原画でノトーリアスなかんなぎれい氏。その界隈では高名な二方がタッグを組んだ、まさにエロゲ界のジニアス・パーティと言うべきクルー。ごめん、言い過ぎた。現在までに本編三巻と外伝一巻がリリースされているが、本編二巻以外は入手困難というファン泣かせっぷり。そのくせ全然再版しねえとかマジでクソガッ。すみません、取り乱しました。
ヤフオクではたまに出品されるんだけど、同人小説を5千円も出して買おうとか思えないです。なので1、2巻しか読んでませんが、これは!ガチ!ヤバいです。上記の丸戸シナリオゲーが好きなら絶対ハマる。ニッチな笑いを挟みつつ軽妙な文章で日常シーンを読み進ませて、知らん間に感情移入させまくり、ラストでは涙せずにいられない、といういつものパターンで、丸戸氏本人も「引き出し狭いよなぁ」なんて自虐してますが、だがそれがいい。特にNG恋の美都子a.k.aトコちゃんシナリオに涙した漢どもは読まねばウソ。
単体だとわかりづらい部分があったりするので一巻から読むのをオススメしたい、けど手に入らないというジレンマ。一巻はまん○らけとかでたまに見かけるので、見つけたらマストバイ。クソエモいです。二巻の引きの思わせっぷりがマジでとんでもねえレベルなので三巻が読みたくて仕方ない。冬コミでの再版を狙うしかねえか。


こちらは「ひまわり」で'07〜'08の同人ゲーム界での話題を独占したサークル、ぶらんくのーとの夏コミ新作「こもれび」。「ひまわり」の外伝というかゼロ章的な位置づけの作品。小説は「ひまわり」と同じくごぉ氏の手によるものですが、イラストは本編のたつきち氏からチェンジしてイチリ氏が手がけています。この絵も嫌いじゃないけど、アクアというキラーキャラを完璧なフォルムで描いてくれたたつきち氏の絵に異常な執着を持つ俺としては、「…なんか…なんかなぁ……」という感じだったりしますが、まあ、ぶっちゃけイラストは表紙だけなんで、いいかと。ちなみにアクアは俺のプロフィールアイコンとして活躍してくれています。もう一つちなみに、その「ひまわり」での黄金タッグ、ごぉ×たつきちによる新作「Stand by me, Stand by you」がオンライン連載を始めました。ここで読めます。これもかなり期待できそうです。
さてこの「こもれび」はというと、本編「ひまわり」をプレイしてないとほとんど楽しめません。なので皆さん買いましょう。ありえねえことに定価1300円!安すぎだろ、バカじゃねえか(笑)。クオリティ的には値段の10倍くらい楽しめるので買うしかないですマジで。OHPで体験版がDLできます。よかったらどうぞ。
で、「ひまわり」が終わったら、すげえ謎が最低一つ残るでしょ?その謎が「こもれび」で明らかに!ならねえんですけどね(笑)。でも「たぶんこういうことかなぁ」ぐらいには理解できるようになってて、その思わせぶりがクソ憎い。そう、やっぱ全部わかっても面白くないんですよ。エヴァがあれでいいとは思わないけど、戯言遣いの本名なんか明かしても興ざめなだけなんですよ。ドグラマグラはわからないからこそ名作なんですよ。そういった機微のわかる向きにはクソオススメです。そうじゃなくてもアクアが死ぬほどかわいいので全オタクは結局やるべき(笑)。「ひまわり」1週目でストップしてる漢たちも結構いるみたいですが、2,3週目が鉄板のクラシックなんで、そこまではまあ騙されたと思って進めてみて下さい。

そういうわけで紹介終わり。この2チームに「ナルキッソス」のステージ☆ななを加えて同人ラノベ界三羽ガラスと称したい。どうでもいいですが「称したい」が「焼死体」と変換されて死にたくなりました。最近は商業ラノベの方が盛り上がってて質も高まってるように思いますが、同人だってクオリティの高いものはあるのです。AURAやプシュケがあんなに話題になるなら、もう少し同人も注目されても、と思ったりします。三羽ガラスは十分売れっ子ではありますが。もう少しマイナーなサークルもそのうち紹介しようかと思います。またいずれ。