フェミニズムとパンクロック
今期アニメが面白くない!
どうも負け犬です。
フェイト、シドニア、ユーフォニアムという外れ様のない三本柱が存在した前期とは打って変わって葬式ムードの様相を呈してきましたね。ガッチャマンクラウズはやっぱ面白いけどと、今のところ前期の神アニメ「響け!ユーフォニアム」が終わったショックを隠せない39歳の夏です。ぼやぼやしてるとバカボンのパパに追いついてしまいます。やべえ!
さておき、今回も最近読んだ本とか紹介していきます。
- 作者: 石川博品,まごまご
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/05/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (11件) を見る
何度も言いますが、僕が一番好きなライトノベル作家、石川博品の(おそらく)一冊完結ものの小説です。最近話題になった漫画「ダンジョン飯」に似た傾向の作品と言えるでしょう。石川先生の叙情的な文章と心情描写のせいか、あまり「ダンジョン飯」と同系統の作品という感じはしませんが。むしろ小川一水の諸作品に似た読後感がありました。
物語の舞台はSF的パラレルワールド、現代とは常識の違う世界。だけどサイバーパンク的な荒廃感は薄く、アニメで例えるならNiea_7の世界に近しいものと言えばいいのか。そういった世界での、将来のビジョンも持たず、外来生物を狩ることにしかアイデンティティを見いだせない高校生主人公の成長物語。ライトノベルというより正統派ジュヴナイルといった趣の、最近ではあまり他に類を見ない小説です。
この作家はいつもそうなんですが、正統派私小説文学的なリリカルさを強烈に感じさせる地の文と、ネットミームを中心とするパロディをふんだんに散りばめた会話パートのギャグセンスのバランスが絶妙な作品。
あとこの人は、フィクションに於ける「女性性」の描き方がものすごく絶妙で、最初僕はこの人を女性作家だと思っていたぐらいです。
この作品に限らず、いつかアニメ化して欲しい作家No.1。
がらっと話は変わります。
Nirvanaの代表曲「Smells Like Teen Spirit」をカバーしているアーティストは多数いますが、声優の後藤邑子さんがこんなカバーを歌っているのは案外知られていないんではないでしょうか。
「パンコレ」という女性声優さんにパンクの名曲を歌わせる謎の企画アルバムがありまして、その大トリを飾る名カバー。賛否両論ありますが、というか否定的な意見ばかり聞きますが、僕はこのカバー大好きなんです。たぶん後藤邑子さんはニルヴァーナなんぞ欠片もご存じではないと思いますが、別に思い入れなんて無くても成立するカバーもあると思うのです。
セックスピストルズ、クラッシュ、ラモーンズ、グリーンデイ、オフスプリング、エクスプロイテッド(!?)といった謎の選曲を、門脇舞以、田中理恵、池澤春菜、清水香里(敬称略)といった中堅どころの女性声優さんが萌え声でかわいらしく歌い上げる奇妙なカバーアルバム「パンコレ」。正直、買ってまで聴く価値があると思えるのはこの後藤邑子さんのニルヴァーナだけですが、こんなとち狂った企画を無理くり通してしまった情熱には敬意を表したいです。
ニルヴァーナがパンク?という野暮なツッコミは素人がばれるのでやめといた方が無難。
さてその流れでもう一曲。
こちらはごく最近知りました。原曲は英国のロックバンド、Manic Street Preachers。高名なポルノクイーン、トレイシー・ローズとのデュエット曲ということで発表時にもかなり話題になったんですが、話題ばかりが先行してしまい色物あつかいされている感の強い、悲しい名曲です。
これを歌うのは我らが歌姫KOTOKO!
と、I'veの作曲家、高瀬一矢さん。
男性ボーカルが中心の曲なので高瀬さんがぐいぐい前に出て歌ってるんですが、これがなんとまあ素晴らしい歌声。I'veならではのオーバープロデュース気味な録音のせいもあるんでしょうが、KOTOKOにまったく引けを取らない歌唱力と豊かな表現力でこの名曲を歌い上げてくれています。
先ほど紹介したニルヴァーナとは違って比較的原曲に近いアレンジですが、I'veらしいアップテンポで元気が出るような曲調。KOTOKOの「ハヤテのごとく」を少し思い出させてくれます。
この曲は歌詞も凄く良くて、90年代を代表するラブソングだと僕は思っています。対訳歌詞付きバージョンがニコニコ動画に上げられていますので、興味がある方は探してみて下さい。
いつかこれと「Ever Stay Snow」を繋げたDJをやってみたいなあ…