loser's howling for tomorrow

ネタバレ注意。小説、漫画、アニメ、ゲーム、音楽、お笑いのことなんかを書き殴っています

殺しにきたぜ I Love You

時代が俺に追いついたんじゃない!
俺がブログに追いついたんだ!


はい、5年ぐらいぶりです。
ちょっと燃え系ロボットアニメの名言風に始めてみましたが別に意味はありません。

最後に日記書いてから5年……色々あったような、特に何もなかったような…


一番大きな変化は、紙の本を(ほとんど)買わなくなったことでしょうか。
Kindle for PCが神アプリすぎて生活費ギリギリまで追い詰められたりしています。
まあそれ自体は紙の本買ってた頃とそんなに変わらないんですが、物理的に場所をとらなくて、思い立ったときにすぐ読める、という電子書籍の素晴らしさを、Kindle for PCであらためて実感させられました。

スマホで本(特に漫画)とか読むのはせせこましくヤだなあ。
だからってタブレットとかKindle端末買う気にはなれないなあ。
だって絶対すぐ使わなくなるもんなあ。
と、そんな風に考えているようなぬるいユーザーにこれでもかとばかりに突きつけられたのがKindle for PC。
スマホタブレットで読むものだった電子書籍がPCで読めるというだけでなんだこの開放感は…?
ララァ、わたしをみちびいてくれ……(白鳥の群れをおいかけて溺死)


まあそんなわけで、Kindle版が出てる本以外、ほとんど買わなくなりました。
紙で持ってる本もKindle版出てるのはバンバン買い直して、かなりの数の紙の本を売ったり捨てたりしました。
しかし本を手放すというのは何であんなに辛いんでしょうか。
身を切られるような、というのはまさにアレですね。
マジで失恋と同じぐらい凹みますね。
で、後ろ髪をぐいぐい引かれる想いを振り切ってブックオフに……持って行ったら300冊で800円だったりしてさらに凹んだり。

こういうのは愚痴になっちゃうんでやめましょう。
ともかく、紙媒体でしか出てない本はほとんど買わなくなったのですが、「ほとんど」ってなによ?
買うのもあるんかい?
というのが今回のテーマ。というかなんというか。

本の重みで傾きつつある我が家の事情を顧みず、それでも買ってしまった、数少ない紙の本から何冊かご紹介してみます。
(買った当時はKindle版が出てなかった、というパターンも含んでいます)


こんな感じで、小説とか漫画とか映画とか音楽とかについて、またちょくちょく何かしら書く予定です。
よろしくお願いします。


「眠る前に何かを期待していた。それが叶わないのを知っているから眠るのが好きではなかった。寝起きの辛さは失望の辛さだ」


僕が一番好きなライトノベル作家と公言してはばからない石川博品の、現時点での最高傑作。
吸血鬼が当たり前に存在する世界での、ありふれたボーイミーツガール。
だけどこんなに切ないのはなんでなんじゃあ!
この作品については、いずれまとまった感想を書くつもりです。
とにかく切ない。なのにさわやか。でもやっぱり切ない。
体温を感じさせるような地の文が素晴らしいです。


終物語 (下) (講談社BOX)

終物語 (下) (講談社BOX)

「馬鹿にできない。やっと、自分のために戦ったんだね――僕はきみを尊敬するよ、阿良々木くん」


はっきり言って惰性で読んでいた、かの有名な「化物語」シリーズの事実上最終巻。
あまり期待はしていませんでした。
戯言遣い」シリーズの無理矢理にもほどがある終わらせ方とか、おまえ終わらせてないシリーズいくつ抱えてんねんという不満とか、そもそもこの人の文章たまに(というよりけっこう頻繁に)マジで受け付けない、という根本的なアレとか、めだかBOXとか(笑)、不安材料だけは山ほどありましたし。
それでも、「化物語(上)」を最初に読んだときの驚きと感動、アニメも含めたこのシリーズへの愛着は大きく、とうとう最後までリアルタイム買いを続けてしまいました。
あまり期待はせずに。
そしたらめっちゃ面白いでやんの。
西尾維新のくせにちゃんと終わってるし!(超失礼)
まあまあ、正直なところ予定調和な感は否めませんでしたし、あいかわらずだらだらとメタな会話でページ稼いでる感は強かったですが、そんな不満を圧倒的にねじ伏せる「ちゃんと終わってる感」がやばかった。
「そりゃ最終巻なんだからちゃんと終わってるだろうよ」とおっしゃるそこのあなた、あなたは西尾維新という作家を知らない!
こんなにちゃんと終わらせられる人じゃないんですこの人は……!
収集がつかなくて終わらせられないというよりは「このまま終わるなんてベタすぎる」という想いから裏の裏をかいてかいてかきまくった挙げ句わけのわからない投げっぱなしエンドを選択しちゃう、という感じではあるんですが、毎回それに付き合わされる読者の気持ちにもなれよ。っていうね。
そんな西尾維新が敢えてこのエンディングを選んだというのが熱い。
「熱い」というのがこのシリーズの共通テーマだったので、順当な終わり方ではあったのでしょうが、「傾物語」あたりの迷走っぷりを見てると「またこいつわけのわからん終わり方させる気か…」という不安も積もっていましたので、最後にこの直球一本勝負というのは痺れました。
これがアニメになる日が待ち遠しいです。
何年かかんねんとかそういうことは言うな。
ちなみに僕がシリーズ中で最も好きなのは「猫物語(白)」、次いで「傷物語」です。
一番好きなキャラクタは羽川翼です。いや忍野忍………八九寺真宵俺の嫁……うっ、頭が………


「世界は喜劇になるでしょう」


今回紹介する中でもっともニッチと言えるでしょう。
「ある界隈では知られてるけど知らない人は徹底的に知らない」系の作家、王雀孫の小説デビュー作です。
わー、ぱちぱちぱち。
ちなみにこの「ある界隈では知られてるけど知らない人は徹底的に知らない」系の頂点に君臨するのが我らが田中ロミオであります。
…えーと、まあそういうことです。察しろ。
というのも何なので、ざっくり簡単に説明しますと、エロゲのシナリオライターさんですね。
シナリオを手がけたゲームの代表作として「俺たちに翼はない」(以下『おれつば』)、「それは舞い散る桜のように」(以下『それちる』)などが挙げられます。
いずれも傑作かそれ以上なので未プレイの方はすぐに買うように。
それちるはうっかり完全版の方買わないように十分気をつけましょう。


さて小説の話をしましょう。
…あんまし言うことないですね(笑)
知ってる人にはいつもの王雀孫節。
知らない人には「これを小説として出版するとか正気か…」というもの。
別に文章が特にへたくそだとか読みにくいということはありません。
多少のクセはあるものの、むしろ平易で読みやすい文章と言えるでしょう。
エロゲのテキストそのまんまであることを無視できるなら。
↑これね、けっこう以前から自分の中では大きな問題なんです。
いわゆるノベルゲームのテキスト(特にウインドウ内にテキストが表示されるもの)が、仮にゲームとしてのインターフェースを取っ払ったとしても、文章として小説として機能するのか、という問題。
僕はこれを某丸戸先生の同人小説になぞらえて「めもらるクーク問題」と呼んでいるのですが、実はけっこう根が深いのです、これは。
でもあんまり掘り下げると例の「ライトノベルにおける『わたくし』小説は文学として機能し得るのか問題」とかも絡んできて非常に厄介なのでひとまずスルーします。


「ある界隈では知られてるけど知らない人は徹底的に知らない」系の作家に触れると、こういうことばっか言ってて肝心の作品について何も語れていないことがよくあります。
この文章がまさにそうです。
まだ何も書いてないですね。
よし、内容紹介、します!


主人公(妹持ち)が変だけどかわいい上級生に出会って何やかんやいじくられます。


以上!
まさかの一行。
細部はもうちょい掘り下げられるんですが、今のところ細部が機能していない。
主人公兄妹にもう一人兄がいたり幼なじみの娘がアレだったりヒロインの母親がアレだったりするんですが、1巻の時点ではただの「思わせぶり」で、伏線にすらなっていないんです。
つまりただの序章。
キッズ・リターン」状態です。
終わるどころか始まってもないんだから語りようがないんです。
じゃあいつ始まるの?
そんなんワシが聞きたいわ!
絶対続刊出せよ!ダッシュエックス文庫には期待しとるけえのぉ!


と、これだけで終わるのはいくら何でもアレなので、王雀孫のキャラクタの描き方という点には触れておきましょう。
「それちる」の頃から少しその気はあって、「おれつば」で一気に花開いた感のある「ギャル属性」の描き方というところなんですが、
これがね!もうね!たまらんよね、折口君!
という感じで、ギャル萌えとかビッチ萌え要素がある数少ない同志達にとってヘヴンな感じに仕上がっていることだけは強調しておきたいです。
あ、かわわさんは別にどうでもいいです。


あとはまあ、そんなに特色といえるほどの要素はないです。
友ゼロ(友達がゼロ人)で露悪的で、でもちょっぴり自覚が足りない主人公くんはまさにラノベの主人公!といった感じで可もなく不可もなく、
友ゼロ(友達がゼロ人)なので妹と偶然ばったり出会うヒロイン以外ほとんど誰も出てこず、
一応部活ものなのに部活描写は一切なく、
要するに王雀孫のデビュー作ということ以外にあまり意味が見いだせません。
ま、まあ一巻だからね!まだ一巻だからね!

「翼をなくした鳥の詩」

https://soundcloud.com/makeinu_wonder/dogfood-wonder-mix-wav

星も見えない灰色の空睨み 翼が欲しいって泣いたあの子
街の喧噪が紡ぎ出すビッグビートに身をゆだねるように目を閉じる
聞こえてくる耳障りなフリースタイル それでも 何だか温かい
終わりのないララバイ で眠る 花と雨の匂いがくすぐったい
誰もがクソみたいに地べたに這いつくばってあの空見上げてる
「あそこまで飛べるはず」流れる涙は糧になんてならない
いつだって誰かの手の上 溜息すらとっくに枯れた
放たれた1つの出会いと別れが 僕らをここまで追い詰めたんだ

たとえばこんな物語
翼を探す終わらない旅
たとえばこんな物語
僕の声がそこまで届きますように
翼を探す終わらない旅

ないはずの翼がひどく痛む 薄笑いでやり過ごすのも疲れた
それでも笑ってなくちゃ あの奈落の闇が僕らを飲み込むんだ
見上げること止め、空の高さ忘れ 飛べるふりして群れに潜り込む
世界の底走り抜ける力 探し求めてただけだったんだ
気づかなかったみんな同じだった 君に会えてやっとわかった
誰もが翼を求め遠ざけ 唾し歯ぎしり行き来するだけ
終わらない終わりようもない旅の途中 栄光の向こうの霧は未だ晴れず
肩並べ空睨み吐き捨てる 俺の未来なんて俺が知るかよ間抜け

たとえばこんな物語
翼を探す終わらない旅
たとえばこんな物語
僕の声がそこまで届きますように
翼を探す終わらない旅

寒空に白い劣等感吐き散らしながら 君の声を微かに思い描いたりする
んだ
鈍い心だましだましあからさまに傷を隠し あやふやな優しさに心寄せう
つむいた
君が誰かと話す振りをしてた僕は気づかない 進み惑い止まり後ずさ
り膝をついた
大事なものだけはどうしても守りたかった 嗤い声に耳を貸していたくな
んてなかった
それでも赤い赤い悪夢が僕を連れ去る ハートビート刻むだけが生き
る意味に思えた
羽ばたくための言葉だからこんなにも詰め込む この胸に刻み込む きっ
と明日は飛び立てる

たとえばこんな物語
翼を探す終わらない旅
たとえばこんな物語
僕の声がそこまで届きますように
翼を探す終わらない旅

君の声
君の涙
君の痛み
君の笑い顔
僕の声僕の涙僕の痛み僕の笑顔なんて忘れた
空はやがて色失い 夜のしじまに飲み込まれるだけ
朝陽の色を思い出してる
「世界が平和でありますように」

僕のままでどこまで届くだろう


◆2008年12月14日(日)大阪公演@心斎橋 鰻谷sunsui
 「スイカ(夕方でも)夜話オオサカ」〜第3夜

  GUEST:Romancrew with SUIKA band style
  SOLO LIVE:タケウチカズタケ / toto  DJ:NAO(スーパークロイ)
  open16:00 / start17:00 adv.¥2,500 / door¥3,000 (drink別)


行ってきました。当日は昼過ぎにぐだぐだと起きて電車で難波へ。車で行こうか少し迷ったけど、ライブ後に飲む約束もあったので電車。着くまで桜庭一樹の「推定少女」読む。感想は後ほど。
難波着。とりあえず日本橋とらのあなでウロウロ。特に欲しいものもなく、あまり時間に余裕がなかったので早めに切り上げてK2レコードへ。キリコの新作、やけのはら、ケーボンなど借りる。この後いっしょに飲む予定のK2店長はいなかった。休みか。そろそろいい時間かな、と燦粋に向かう。途中、中国人らしき若者に片言の日本語で道を訊かれてちょっと困る。が、動揺はおくびにも出さず、滑らかに、速やかに、躊躇せずに勘で答えてにこやかに去る。
燦粋到着してビール飲んでると、すぐに「SUIKA夜話、はっじまっるよ〜」(誇張アリ)と声が聞こえてライブスタート。SUIKAはいつもビックリするほど段取りが良くて気持ちいい。良いイベントってのは一つ一つのライブの善し悪しだけじゃなくて、こういう細かい所まで気配りができてこそだよなあ、と、完全に上から目線の「何様?」的感想を思い浮かべながら、まずはタケウチカズタケのライブ見る。この人の演奏姿は本当に華がある。やってることはちょいジャジーなピアノ入りインストhiphopで、斬新なことをやってるわけじゃないし、めちゃくちゃ質が高いわけでもない。でも、このアクションとゆるいMCを交えられると、こんなひねくれた基本ナナメから目線の人間(たとえば俺)の胸なんかにもすんなり届いてしまうわけです。4曲だけの短いライブだけど、あいかわらず素晴らしい。大好き。
そして間を置かずそのままRomancrew with SUIKAバンド。ど真ん中最前列でかぶりつきで見る。もうなんというか本当に最高。演奏も3MCも全部が全部クッソヤバい。特にエムラスタの男気溢れるラッピンがツボすぎた。前回の夜話に比べて客の入りは結構さびしい感じだったけど、そんなことは気にならないぐらいクソ盛り上がって終了。
ここで少しインターバル。Kさんと日本語ラップの話とかしてると、またすぐにライブ再開。この長すぎず短かすぎずな間の開け方も何だかすごく気持ちいい。良いイベントってのは(略)。さて、次ははじめて見るTOTOさんa.k.aナノルナモナイの嫁のソロ。ライブで見るポエトリーリーディングってこんな感じか。韻やフロウにこだわらない、ストーリー仕立てのフリースタイルとでもいうか。で、そのままSUIKAの面々を呼んでライブに突入といった流れ。肝心のSUIKAライブは、「JUCY, FRUITY, SPICY, FUNKY」でいきなりトップギアに持って行った前回とは違い、メロウな曲でじわじわ盛り上げるスタイル。今回はタカツキウッドベース弾いてなくてラップ専業。代わりにエレキベースのメンバーが増えてた。当たり前すぎてあえてこんなこと言うのも失礼かもしれんけど、クソうまい。ぶっとくジャジーなラインで常にボトムを支えていた。グッジョブ。大好きな「ジョナサン」でのATOMのテンパリ具合いがやばすぎて悶絶したりしてる内にあっという間に最後の「キリンが星を食べる島」。この曲のちょっとニューウェーブ臭のするシンセの音色はマジでヤバい。オーラスの3MCが好き勝手にフリースタイル決めまくるパートとか鳥肌の連続。ぐわんぐわんに乗せられて終了。と思いきや、ここでRomancrewを呼び、全員でのセッション大会。会場にいたスーパークロイMCたちも呼ばれて次々とフリースタイル。ステージ上がマジで狭い(笑)。一人あたり20cm四方ほどしかないぐらいの超過密セッション。若手MCの中ではダメレコからCD出してたLION'S ROCKのフリースタイルがヤバカッタ。いっぺんスーパークロイも見に行こうかな。
全ライブ終了。したとこで丁度Tからメール。なんというナイスタイミング。そのまま流れるように合流。10年ぶりに会うSも交え三人で飲み。適当に入った焼鳥屋でぐだぐだ飲む。近況なんかの情報を交換した後、クソ盛り上がったのがホストクラブのオーナーであるSの体験談。「こないだEXILEと飲んだ」はガチのパンチライン。一番人気があるらしい坊主のやつはマジで調子に乗りすぎ、とのこと。芸人と飲むことも多いらしく、千鳥の二人が「これ事務所にばれたらヤバいっす」とがたがた震えていた話とかマジで腹筋が痛かった。あとやはりどうしても盛り上がってしまうのが音楽の話。Sがちょうどこの日ガンズの新作(笑)を買っていて、ガンズ全盛期だった頃の話がクソムゲェ盛り上がりを見せる。固有名詞だけ羅列すると、ガンズ、モトリーホワイトスネイク、テスタメント、ヴォイヴォド、エクソダス…。最近のバンドで名前出たのなんかCHURCH OF MISERYぐらい(笑)。こういう話はやっぱ楽しい。
二件目行くか、と次の店探してぶらぶらしてると、Sが一つの看板を発見。そこには「リッチーが誘う館」との誘い文句が。おいおい、まさかブラックモアじゃねえだろうな。いや、この写真はマジでブラックモアだろ。ちょっと入ってみるしかねえんじゃね?というわけでFLASHというその店に雪崩れ込む。
入ってみると、クソ狭い店内の壁に所狭しと飾られたオールドHR/HMのアナログ盤が我々をお出迎え。予想通りの雰囲気に三人ともテンション上がる。ブート含むDVDもやたらと数が揃えられていて、好きなのかけてもらえるとのこと。やはりガンズ。あえてモトリー。ここはパープル。いやツェッペリンも。侃々諤々の議論の末、とりあえずサバスだろ、ということで初期Black SabbathのブートDVD見ながら飲む。クソ盛り上がる(笑)。というかそのDVDがマジで良くて見入ってしまい、あんまり話もできない状態。ほぼ一本すべて見終えてツェッペリンに移行。このライブがクソな出来映えだったので会話が弾み始める(笑)。といっても店員のOさんを交えてただひたすらオールドロックの話。マイケル・シェンカーと伊藤政則の話がヤバカッタ。昔はこういう店も良くあったけど、まだ生き残ってるんだなあ(遠い目)。
そのあとモトリーのDVD見てるうちにいい時間になってきたのでお開き。二人と別れItoIに向かう。

◆A Son Of The Son "UYAMA HIROTO RELEASE PARTY" feat NUJABES
◆2008.12.14 (SUN) @アメリカ村 ItoI 
◆adv 3500yen w/1d : adm 4000yen w1/d
◆21:00〜5:00
NUJABES , UYAMA HIROTO , AFRA ,improve , TOKI feat L.N.B,and more...

このチケットの高さにカチンと来て迷ってたんですが、どうせもう終電も出ちゃったし、NUJABESは1回ぐらい見とくか、というわけで行ってきました。
やめときゃ良かった、と入ってすぐに思った(笑)。ItoIって初めてだったけど、クラブでこの大きさってのはあり得ない。広すぎ。低音を強調しがちなクラブミュージックをこんなだだっ広い場所で心地よく聞けるわけねえじゃん。案の定低音巻きまくりで最後までクソ居心地悪かった。出演者も客層もはっきり言ってクソ。「こんなんで出てきて恥ずかしくねえのかよ」「前のやつ、妙な動きをするんじゃねえ(@承太郎)」「チンコかゆい」などと思いながら心をこめて雑にライブ見る。ただ、入ってから3番手ぐらいに出てきたAFRAはマジでヤバカッタ。ファンタスティック。I.B.Bを連れず一人+サンプラーだけのライブ。次から次へと人間業とは思えないビートボックスでガンガンに攻め込んできて目が離せない。リアルタイムでビート作ってラップ乗せるのとか凄かった。あとサンプラー使わずに一人でビートとウワモノとベースライン叩き出す必殺のビートボックスは、生で見ると感動すら覚えた。
上を向いて歩こう」で締めたAFRAに変わってNUJABES。セット転換がマジでクソとろい。直前にSUIKA夜話見たから余計に感じるのかもしれないし、生バンドが多かったからある程度は仕方ないのかもしれないけど、NUJABES前のセッティングなんかは明らかにリハ不足なマイペースっぷりで、見ててイライラして仕方なかった。PAのわかってなさ加減もマジで半端なくて、音量の定まらなさとか音のバランスとか酷すぎるスキル。ただでさえ低音が巻く作りの箱でアホみたいに低音ブーストするせいで、最初のあたりウワモノとラップが聞こえないくらいベースが強い。なので前半に「luv(sic)」pt.1〜3まで全部ブッ込んでくるという媚び媚びな選曲が完全に裏目。なんかだんだんかわいそうになってきて後ろの方に下がっておとなしく見る。ヒットパレードな前半、Uyama Hirotoのサックスをフィーチャーした中盤、それに加えてnujabesがフルートを吹く後半、と言った感じのセット。音がもう少しましだったら楽しめたかもしれない。元々nujabesに限らずジャジーhiphopなんてキックやベースでガツガツ踊る感じじゃないのに、なんであんな音だったんだろう。とりあえずこの箱には二度と足を踏み入れないようにしよう、と自らに誓いを立てて帰宅。泥のように眠る。

++++++++++++


桜庭一樹推定少女
いまや直木賞作家として押しも押されもせぬ地位を確立した桜庭一樹の04年の作品。今回読んだのは角川文庫版だけど、ジャケット画像はあえてラノベテイスト溢れるファミ通文庫版。この人マジで大好きでほとんど読んでるんだけど、ラノベ時代も一般小説に踏み込んできてからもハズレが一作もないという希有な作家。「とらドラ!」の竹宮ゆゆこと並んで、もっとも注目すべき女性作家でしょう。んでこの作品もやっぱり面白い。「世界から逃れようとする少女meetsストレンジャー」という安心して読めるサクラバ王道スタイル。かと思いきや、なんとこの小説マルチエンディング(笑)。さすがラノベ出身者。3種類のEDは「少女vs世界」の観点から見れば「逃避エンド」「迎合エンド」「トゥルーエンド」とでも言うべきか。ただ、「沙耶の唄」で沙耶エンドがトゥルーと信じて疑わない「俺は人間をやめるぞジョジョーッ!」的な人間(たとえば俺)にとっては逃避こそが戦いなわけで、手に手を取ってネバーランドへ旅立つ逃避エンドのまばゆさはマジでこみ上げるものがあった。桜庭先生が最初に書いたのがこのEDだそうで、やっぱりこの人は間違えない、信頼できる、との認識を新たにさせられた。
直木賞受賞後初の長編「ファミリー・ポートレイト」もかなり変な作品らしいので今度買って読もう。

アロマセラピーがじっと香るハーモニー


母校、近畿大学の学園祭に行ってきました。難波でMちゃん夫婦と合流して出発。車で行くの初めてだったせいか、クソ近くまで来てるのに、込み上げる懐かしさとかゼロ。こんなとこだったかなぁ、と首を傾げつつ特設ステージに向かう。着いたときにやってたのが一鉄。あいかわらずフリースタイルもトラックもラップも非常にもっさりとした垢抜けないスタイルで、簡単に言えば寒い。変な汗を我慢して前の方で見る。お次はINDEN。けっこうひさしぶりに見るのに前とほとんど内容変わってなくてちょいがっかり。でも「zanzoh」をDUCTのトラックで聞くのは最初にINDEN見たとき以来で、懐かしくもうれしかった。やっぱこの曲はガチだな。時間が短かったせいか、いつもならふんだんに盛り込むフリースタイルは全然やらなくて、5曲ほどやってあっさり終わり。まあ、周りの空気も「はよ降神出せやゴラァ」的なものになってたので正解といえば正解か。
そしてSEに乗る二人の声が聞こえてきて、降神登場。学祭のお祭りムードも手伝ってか、志人がステージに現れたときは普段の降神のライブでは聞いたことがないような歓声が沸き起こって、こっちのテンションも上がる。が、ライブはいつものようにメロウに始まって音源になってない曲連発という置いてけぼりスタイル。学祭でもまったく遠慮なし。90%以上予想済みとはいえ、10%未満の確率でヒットメドレー(時計の針とか夢幻とかロックスターの悲劇とか暗殺者の恋とかLIFEとか)かましてくれたりしねえかなぁって期待してたので、それなりに落胆したりもする。しかし、今年だけで降神二回、志人のソロ四回見てる俺でもまっったく知らない新曲を3曲もこのフリーライブの場でぶちかます唯我独尊っぷり。降神はやっぱり降神だわ。
肝心のライブの出来はというと、志人が序盤テンション空回り気味で何度かトチってたりしたけど、全体的にはいつもの志人。つまり神。そして普段は神に仕える従者ぐらいの位置でしかないナノルナモナイが、チャクラでも開いたのかキレキレ。あのスタイルだから、一聴してヤベェって感じではないんだけど、野外のわりに音響がすごく良かったせいもあるのか、フロウはいつも以上になめらかだし発音もしっかりしていて言葉の意味がガッチリ伝わってくる。中盤あたりでやったメインで歌う曲なんかは、ただでさえメランコリックな単音のウワモノが涙腺を刺激するトラックなのに加えて、ナノルナモナイの歌とラップがマジでクソエモくて、本気でちょっと泣いた。ただ、何度か挑戦しようとしていたフリースタイルは尻すぼみで微妙(笑)。あとは、最近の定番になりつつある「円都家族」「euforia」あたりはやっぱりヤバかった。そしてあっという間に迎える「ありがとうにさようなら」。もうこれが始まるだけで「帰り道」のイントロが思い出されてクソ鳥肌。最近はこの2曲の間にアカペラで小曲を挟むスタイルになってて、このときの焦らされる感じがまたたまらん。来るぞ来るぞと思わせつつフロアのテンションを操るやり口が卑怯きわまりない(笑)。そして結局操られる客a.k.a俺はいい面の皮。でもやっぱり「帰り道」は感動的。予定調和の破壊力を存分に堪能させてくれる。
というわけで、やっぱり降神は素晴らしかった。全体の流れで言うなら前回metroで見たライブには及ばないけど、音響の良さ、野外というシチュエーション、ナノルナモナイの奮闘、という好材料のおかげで、一つ一つの曲のインパクトは過去最高だった。クソ満足。
ヤベェヤベェと盛り上がりつつ、あまり音楽を聞かない一人を微妙に置いてけぼりにしつつ(笑)、再び難波へ。アメ村で二人と別れ、↓これ見に単身火影へ向かう(フライヤー画像が見つからん…)。
11/2(SUN) 
はみ出し者よ獣になれ vol.7
at アメリカ村 火影

OPEN 18:30 START 19:00
ADV 1500 DOOR 2000(+DRINK 500)
・illya(東京)
・屈辱(京都)
・ORGANISM
・COMPLETED EXPOSITION
・CONTAGION
・BAD DIRTY HATE
・MASTER PEACE
初めての箱だったけど非常にわかりやすい場所で迷わず到着。…なんだこのゲトーは(笑)。クソ狭いライブハウスに革ジャンだのツンツン頭だのジャラジャラだのトゲトゲだの隈取りだのが集結して、得も言われぬ空気をかもしだしている。頭にはCORRUPTEDキャップとはいえ、ティンバランド、ダボパン、ADDICTパーカーと、Bスタイルで固めたわたくしには非常に敷居が高い感じ。まあどうせ俺以外誰も気にしねえだろ、と持ち前のフェイクポジティビティスキル(ランクA+)を発動し、すぐ開き直ってビールかっ食らう。といったところでIllyaのイケメンドラマーことAさん発見。Tシャツ(クソカッケェ)売ってもらってライブスペースへ。このときすでにLさんのバンドBAD DIRTY HATEは終了してしまっていて(残念…)、ORGANISMの出番。いやいやいや、何ていうのかな、大阪らしいバンドやねぇ(笑)。暴虐の限りを尽くして帰って行きはりました。正直あんま好きになれんけど、フロアはクソ盛り上がってた。後ろの方で腕組んで見てたんだけど、途中で何度かボーカルの方と目があって、すぐそばまで来てガン飛ばされた。32にもなって俺もなぁ…と内心では苦笑しつつ、これも礼儀だろうと考え、できるだけいかめしい顔でガン飛ばし返したら、何か納得したようにステージへ戻るボーカル氏。もしかしたら何か通じ合ったのかもしれない(笑)。
一転してえらく大人しいキャラの屈辱は、ORGANISMの後ってのが響いたか、不完全燃焼気味。ただのリーマンみたいな貧相な体型のドラマー氏はかなりいい味出してた。あの顔でブラスト叩かれると笑える。
そしてIllya。いやぁカッコよかった。単音のギターソロが懐かしい空気を醸し出すいかにもなジャップコアでありながら、様々な要素を吸収、消化し、昇華させているのが伺える独特のスタイル。核がしっかりしているというのか、バンドとしてぶれがない感じ。顔見知りということでどうしてもAさんに目が行ってしまい、鴨川にダイブするような普段のキャラとのギャップに戸惑ったりする。これはAさんがカッコいいわけではなく、ドラムという楽器がカッコいいのダ。と自分に言い聞かせて納得する。
トリはCONTAGION。これまた良かった。演奏だけでいえば一番安定してたかも。ドラムがクソうまい。ブラストやスタスタビートは当たり前にこなしつつ、ミドルの跳ねるリズムなんかも気持ちいい。キメを多用する曲のスタイルも個人的に大好き。大阪のバンドだし、これはまた見たいなあ。
ライブが終わって気付いたんだけど、ずっと爆音浴び続けたせいか、単に風邪がぶりかえしたのか、頭が割れるように痛い。Lさんに挨拶して速攻帰る。
そして現在に至る。で、今から「かんなぎ」と「とある魔術の禁書目録」を見る。明日は何をしようかな。

Promised Island

今さら紹介するのもバカバカしいのですが、「この青空に約束を」という超名作エロゲがあります。シナリオ丸戸史明&企画屋、原画ねこにゃん、という黄金タッグによって生み出された名作中の名作ゲーです。

このゲームのなにが素晴らしいか、とかそんなもん説明するのもアホらしい。知りたければやりなさいとしか言えません。やってみて「だまされた!」ってなったら、ニヤニヤ笑いながら「まあ好みは人それぞれだし」とクソ当たり障りない慰めでお茶を濁してあげます。想像しただけでムカつきますね。そうなるのが嫌だったらこんなゲームやらない方がいいです。あれ? 何か変な方向に行ってますね。じゃなくて、絵でもなんでも、少しでもひっかかりを感じたら一度触れてみて下さい。ハーレムラブコメでニヤつきたい向きや、熱いエモ、泣きエモを求める向きには特にオススメです。
なんで突然これを紹介したのかというと、最近再プレイして、またこれを元にリリック書いたんですね。メインヒロイン凜奈シナリオ限定リリックなので、過去最短です。つうか未完成かも。でもこれ書いて燃え尽きちゃったので、しばらく続きは書けそうにないです。だからとりあえずupしときます。


「Promised Isand」
泣き虫の君が笑った 一瞬の表情に心奪われたあのときから
ぼくらは この青空の下で交わした約束を胸に 今日も唇かみしめた
夏の夕日 手が届きそうなほど近く
まるであの日から変わらなかった永遠の一歩みたく胸に響く 
ひどく意地っ張りな君が愛しかった あっという間に心ひかれた
失ったもの積み上げ作るメモリア 最後の日に捧げられる約束の歌つむいだ
一瞬を無数に繰り返した 左耳のピアス 約束の証 揺れた
「忘れても忘れても、思い出せばいいだけ」信じてないことバレバレ 無理な笑顔
こんな夢だっていつかはさめる「わかってる、わかってる」濡れた瞳かくした
まぶたに映ったたくさんの夢たち 夕立 思い出させる 涸れた轍
夏の日 上げた勝ち鬨 呆れ怒る君も最後には笑った 世界に勝った気分だった
218段のちょうど真ん中 手持ちぶさた 早い鼓動ごまかして立ってた
約束は焼きそば屋の前じゃなくこの青空に 君が目をそらし はぐらかした夏祭り
祭りばやし すねた横顔 浴衣姿
切れた鼻緒突っかかった そっぽ向いて泣いてた
無理にでも抱き寄せればよかった 最後の夏 残ったのはつないだ手の温もりだけだった
「もう会えないのかな」かすれた呟き はっと胸を突かれ黙り込んだ 青白い夜が明けた
昨夜の熱狂も夢みたく消えた 君の言葉に振り向いた 潮騒がかき消した

エロゲで泣くものはエロゲでニヤつく


「とっぱら〜ざしきわらしのはなし〜」フルコン。発売前はまったく眼中になかったのに、直前ぐらいにとらのあなでデモムービー見てやられちまった系のゲーム。「ヒロインがほぼ全員妖怪」という色物めいた設定のわりにプレイ感は非常に地味。一人目の美影(種族:影女)を攻略してるうちは、最後までやらずに放りだしちゃうかもなー、と思いつつカチカチと進めていったわけですが。これがしかし思ってたより話が普通に面白い。ボーイミーツガールvs世界というエロゲではまあありふれた構造を、妖怪をヒロインにすることでより際立たせていて、特にこれっていう新しさがあるわけではないけど、じわじわっと染みこむようにエモい。これはなかなか、と二人目の藤花(種族:妖弧)を攻略しに行った時点で俺の負けは確定していたのです。藤花ルートに登場するサブヒロイン鈴(種族:憑喪神)、この子の殺傷能力a.k.a幼力がマジ半端なくて俺はもう……(泣)

これなんですけどね。見た目がすでに内角低めいっぱいのストライクな上に、CVがまきいづみa.k.a幼術遣い。舌っ足らずな神様口調で語尾は「〜ありんす」。反則です。これは何か法律にひっかかるんじゃないか。だいたい簡単にこれに抗えるようなら俺もペリーグに体半分突っ込んだりしてねえよっつう話で。いやいやいやまずいこれ。ズイマーですって。無理無理無理無理、逆らえねえー。そうこう思ってるうちにあっさり陥落a.k.aまきいづみ時空に引きずり込まれる。で、そっちにばっか気をとられていたら、肝心の藤花もクソヤバい。CVが「つよきす」の乙女さんや「そし明日」の青葉でお馴染みの青山ゆかりa.k.aツンデレの神。くらくらしつつクリアしたら次の千鶴美(種族:?)のCVが「つよきす」のカニの中の人、金田まひるa.k.aキンタマヒル。これまたクソヤベェ。かと思えば唯一の人間ヒロイン穂波のCVは言わずと知れた安玖深音a.k.aアグミオンだし、瀬織(種族:橋姫)のCVは「Clover Point」でのシロツメさんというはまり役が忘れがたい深井晴花だし、とまあ、声優陣が考えられない豪華さ。個人のスキルだけでとんでもないのに、それが相乗効果で何倍にも増幅してしまうという恐ろしさ。気付いたらガッチリはまっていました。声優さんの技術って凄いすね。
結論としては「萌えを求めるならとりあえずやっとけ!」ってな感じ。あと妖怪を扱ってるだけに、民俗学的な蘊蓄も散りばめられていて、まあ内容は初歩的で知ってる人には物足りないかもだけど、なかなか読み応えがあったので、妖怪好きにも奨めておきます。
しかし鈴はマジでパネェ。今年を代表する幼女は「スマガ」の神様(幼女)で決まりだと思っていたが、とんでもない伏兵があらわれた。とは言っても、憑喪神だから最低でも100歳は越えてるんだけどね(微笑)。

ひまわりの空、UFOの夏

最近は小説と言えばラノベしか読んでません。特に同人ラノベに可能性を感じていたりする今日この頃。最近読んだのをご紹介。

あらすじ
美少女ゲームの企画家である“私”。気分転換にふと古ぼけたビルに立ち寄ると、そこは今流行の精神科。お店の名は”三階クリニック”。そこでは過去を悔いる人間たちが集っていた。カウンセラーになりたい俊介、借金返済を夢見る駿夫、犬も食わない喧嘩を三年間も続ける千秋と靖のカップル、母親にパートで働かせて自分は働かない篤。そして誰もが憧れる魔界のカリスマ、空子。みんな煤けて見える。企画に煮詰まっていた“私”は、彼らをモデルにとある小説を考える(美少女ゲームは?)。注)あらすじと本編は一切関係がありません。
ということですが。「ショコラ」シリーズ(名作)、「この青空に約束を」(神作)、「世界で一番NGな恋」(絵以外完璧)などのシナリオライターとしてお馴染みの丸戸史明氏と、近作では「ティンクルくるせいだーす」の原画でノトーリアスなかんなぎれい氏。その界隈では高名な二方がタッグを組んだ、まさにエロゲ界のジニアス・パーティと言うべきクルー。ごめん、言い過ぎた。現在までに本編三巻と外伝一巻がリリースされているが、本編二巻以外は入手困難というファン泣かせっぷり。そのくせ全然再版しねえとかマジでクソガッ。すみません、取り乱しました。
ヤフオクではたまに出品されるんだけど、同人小説を5千円も出して買おうとか思えないです。なので1、2巻しか読んでませんが、これは!ガチ!ヤバいです。上記の丸戸シナリオゲーが好きなら絶対ハマる。ニッチな笑いを挟みつつ軽妙な文章で日常シーンを読み進ませて、知らん間に感情移入させまくり、ラストでは涙せずにいられない、といういつものパターンで、丸戸氏本人も「引き出し狭いよなぁ」なんて自虐してますが、だがそれがいい。特にNG恋の美都子a.k.aトコちゃんシナリオに涙した漢どもは読まねばウソ。
単体だとわかりづらい部分があったりするので一巻から読むのをオススメしたい、けど手に入らないというジレンマ。一巻はまん○らけとかでたまに見かけるので、見つけたらマストバイ。クソエモいです。二巻の引きの思わせっぷりがマジでとんでもねえレベルなので三巻が読みたくて仕方ない。冬コミでの再版を狙うしかねえか。


こちらは「ひまわり」で'07〜'08の同人ゲーム界での話題を独占したサークル、ぶらんくのーとの夏コミ新作「こもれび」。「ひまわり」の外伝というかゼロ章的な位置づけの作品。小説は「ひまわり」と同じくごぉ氏の手によるものですが、イラストは本編のたつきち氏からチェンジしてイチリ氏が手がけています。この絵も嫌いじゃないけど、アクアというキラーキャラを完璧なフォルムで描いてくれたたつきち氏の絵に異常な執着を持つ俺としては、「…なんか…なんかなぁ……」という感じだったりしますが、まあ、ぶっちゃけイラストは表紙だけなんで、いいかと。ちなみにアクアは俺のプロフィールアイコンとして活躍してくれています。もう一つちなみに、その「ひまわり」での黄金タッグ、ごぉ×たつきちによる新作「Stand by me, Stand by you」がオンライン連載を始めました。ここで読めます。これもかなり期待できそうです。
さてこの「こもれび」はというと、本編「ひまわり」をプレイしてないとほとんど楽しめません。なので皆さん買いましょう。ありえねえことに定価1300円!安すぎだろ、バカじゃねえか(笑)。クオリティ的には値段の10倍くらい楽しめるので買うしかないですマジで。OHPで体験版がDLできます。よかったらどうぞ。
で、「ひまわり」が終わったら、すげえ謎が最低一つ残るでしょ?その謎が「こもれび」で明らかに!ならねえんですけどね(笑)。でも「たぶんこういうことかなぁ」ぐらいには理解できるようになってて、その思わせぶりがクソ憎い。そう、やっぱ全部わかっても面白くないんですよ。エヴァがあれでいいとは思わないけど、戯言遣いの本名なんか明かしても興ざめなだけなんですよ。ドグラマグラはわからないからこそ名作なんですよ。そういった機微のわかる向きにはクソオススメです。そうじゃなくてもアクアが死ぬほどかわいいので全オタクは結局やるべき(笑)。「ひまわり」1週目でストップしてる漢たちも結構いるみたいですが、2,3週目が鉄板のクラシックなんで、そこまではまあ騙されたと思って進めてみて下さい。

そういうわけで紹介終わり。この2チームに「ナルキッソス」のステージ☆ななを加えて同人ラノベ界三羽ガラスと称したい。どうでもいいですが「称したい」が「焼死体」と変換されて死にたくなりました。最近は商業ラノベの方が盛り上がってて質も高まってるように思いますが、同人だってクオリティの高いものはあるのです。AURAやプシュケがあんなに話題になるなら、もう少し同人も注目されても、と思ったりします。三羽ガラスは十分売れっ子ではありますが。もう少しマイナーなサークルもそのうち紹介しようかと思います。またいずれ。